せっかくパリに行くなら
『格式ある高級ホテルに泊まってみたい!』
と思いませんか?
パリは高級ホテルが多くありますが、実は5つ星ホテルよりさらに上のホテルもあるのです。
それが”パラス”(Palace )”の称号を戴くホテル。
“Palace (宮殿)”の称号ではありますが、必ずしも宮殿や邸宅を利用したホテルという訳ではなくフランス観光開発機構の中で以下のような位置付けとなっています。
「パラス」は、5ツ星ホテルの中でもさらに、恵まれた立地、歴史的・美的あるいは文化遺産としての特異な価値、利用客のニーズに応じたサービスを誇る秀逸なホテルを、フランスホテル業界の至宝として差別化するための称号です。(出典:http://jp.france.fr/ja/news/114283)
パラスの称号は2つの基準でチェックされます。
1次審査はフランス観光開発機構が指定する設備面など客観的な基準、2次審査はフランス観光担当大臣が任命する審査委員会が行う立地や建物の美しさや格式に関する主観的基準の審査です。
2つの審査をクリアしたホテルにフランス観光担当大臣から”パラス”が授与されます。
2016年時点でパリ市内にはパラス認定を受けたホテルが10軒あります。
それらはパリ中心部の1区、2区や高級住宅街として知られる8区、16区にあるため治安や便利さも格別です。
今回はパラスホテルを各地区ごとに厳選して5軒ご紹介したいと思います。
8区にあるパラスホテル:8区はエリゼ宮殿(フランス大統領官邸)もあるセレブエリア!
- ホテル ブリストル Hotel Le Bristol Paris
- ル ロイヤル モンソー ラッフルズ Le Royal Monceau Paris
- フォーシーズンズホテル ジョルジュサンク Four Seasons Hotel George V Paris
- ホテル ル プラザ アテネ Hôtel Le Plaza Athenee Paris
- ル レゼルヴ パリ La Réserve Paris – Paris
8区はエリゼ宮殿をはじめ内務省や日本大使館を含む各国領事館などがある政治・行政の中心エリアな一方、凱旋門、マドレーヌ寺院やコンコルド広場といったパリの観光名所が多いエリアでもあります。
また、8区はパリの中でも高級住宅街の1つとして有名です。
特にフォーブール・サントノレ通り周辺はかつて貴族が住んでいた名残で邸宅が立ち並び、エルメスやカルティエといったフランスを代表するハイブランドの店舗も並んでいたり、一帯がセレブエリアなので散歩するだけでも楽しめますよ。
そしてパリといえば真っ先に頭に浮かぶのが凱旋門とシャンゼリゼ大通り。こちらも8区にあります。
シャンゼリゼ大通りには有名なお店やカフェ、レストランが並んでいて、パリに行ったら観光客なら必ず行く場所の1つ。ちなみにこの辺りのお店は観光客向けなので価格設定は高めです。
凱旋門から伸びるシャンゼリゼ大通りの1本入ったジョルジュ・サンク通りにルイ・ヴィトンの本店もあります。
■ パラス認定第1号!ホテル ブリストル パリ Hotel Le Bristol Paris
ホテル ブリストルは開業1928年の創業90年近い老舗ホテル。
パラスホテル認定第1号の最高級ホテルで、世界的高級ホテルで組織されたThe Leading Hotels of the World(LHW)の加盟ホテルでもあります。
ホテル ブリストルは8区のハイブランドが並ぶフォーブール・サントノレ通りにあります。
館内のインテリアも品があって素敵なのですが、古き良き時代を思わせるアイアンの細工が美しいクラシックなエレベーターがとっても印象的。
客室はルイ15世-16世時代の家具が置かれ、フラワーモチーフのファブリックが可憐な印象のエレガントな内装です。
また、スイートルームの1つからは遠目にエッフェル塔も眺めることができます。
宿泊客も世界中のセレブが名を連ね、チャーリー・チャップリンやジョージ・クルーニーが宿泊したこともあります。
ちなみにブリストルには特別な住人がいます。それが真っ白な毛並みが美しい猫のファラオン(Fa-Raon)。
コンシェルジュデスクのそばにいることが多いようなので宿泊の際はぜひ会ってみてくださいね!
■ 最高級デザイナーズホテル!ル ロイヤル モンソー ラッフルズ Le Royal Monceau Paris
ル ロイヤル モンソー ラッフルズは凱旋門から伸びるオッシュ通りにあります。同じ通りには日本大使館もあります。
ロワイヤル モンソーは1928年に創業した格式あるホテル。
創業以来、他のパラスホテル同様各界の著名人が滞在していて、アーネスト・ヘミングウェイやマイケル・ジャクソンなどもゲストに名を連ねています。
2008~2010年は改装工事がなされ、2010年にシンガポール発祥のRaffles Hotels & Resorts 傘下に加わり再オープン。
現在の名称ル ロイヤル モンソー ラッフルズとなりました。パリ市内では6番目にパラスの称号を得ています。
このホテルのリニューアルを手がけたのがフランス出身の世界的に有名なデザイナー、フィリップ・スタルク。
フィリップ・スタルクのデザインは機能的でシンプルなデザインが特徴と言えます。
ちなみにスタルクはブティックホテルのプロデューサーとして有名なイアン・シュレーガーのホテルデザインも多く担当しているのでホテルデザインの実績も豊富です。
ル ロイヤル モンソー ラッフルズの歴史を感じさせる外観は街並みに調和していますが、アール・ヌーボーのエントランスの屋根やランプが赤で仕上げられているところから他のホテルとはひと味違う!という印象を受けます。
さらに中に入るとストライプの空間やモダンなシャンデリアに調度類がクラシカルな建物の雰囲気に絶妙にマッチしていて脱帽します。
客室のインテリアは柔らかな色合いで外観のクラシカルな装い崩さない一方で、家具などはモダンでソフトな色合いなものが配置されているので落ち着きます。
きらびやかで豪華なインテリアのザ・正統派の他のパラスホテルと比べるとロイヤル モンソー ラッフルズは良い意味で突き抜け感がある最高級クラスのデザイナーズホテルといえます。
おしゃれなデザイン大好き!という方はぜひにチェックしてみてくださいね。
ロイヤル モンソー ラッフルズの空室状況と最安値価格をチェック
16区にあるパラスホテル:16区はエッフェル塔を見渡す高級住宅街!
- シャングリラ ホテル パリ Shangri-La Hotel Paris
- ペニンシュラ パリ The Peninsula Paris
パリ16区はセーヌ川の右岸、エッフェル塔の東側です。区の西側にはブローニュの森が広がり20区の中では2番目に大きい区となります。
昔から貴族や政治経済界のVIP、文化人が暮らす高級住宅街として知られ、特にエッフェル塔に近いパッシー(Passy)地区周辺はバルコニーの美しい手すりが印象的なオスマン様式のアパルトマンが建ち並びます。
ちなみにオスマン様式はナポレオン3世時代の都市改革を行った知事ジョルジュ・オスマン時代の建築様式で、高さが一定に揃っていて、生成りっぽいベージュ色の石壁に3階以上部分に見られるバルコニーの美しいアイアンの手すりなどが特徴です。
富裕層も多く暮らすエリアのため治安も良く、閑静で、日本人駐在員も多く暮らしています。
16区にある2つのパラスホテルは共に香港拠点の世界的な5つ星ホテルグループです。
8区、17区との境界にある凱旋門から伸びるクレベール通りにペニンシュラ パリが、エッフェル塔やセーヌ川にほど近いところにシャングリラ パリがあります。
■ 歴史的建造物に泊まれる!シャングリラ ホテル パリ Shangri-La Hotel Paris
シャングリラ ホテル パリは16区の中でもセーヌ川に近いイエナ通りにあります。
ホテルの建物は19世紀に建造されたナポレオン・ボナパルトの子孫、ローラン・ボナパルト王子がかつて暮らした邸宅で、フランスの歴史的記念建造物にも登録されています。
そんな本物の宮殿に宿泊できるのがシャングリラ ホテル パリ。
2010年12月にリニューアルオープンし、2014年にパラスの認定を受けています。
ちなみにリニューアル工事を行ったのは、世界中のラグジュアリーホテルの建築、改築の実績が豊富なフランスの建築家リチャード・マルティネット率いる建築事務所AFFINE DESIGN。同事務所はペニンシュラ パリのリニューアルも行っています。
インテリアデザインはこれまた世界中の高級ホテルのインテリアデザインを手がけるピエール・イヴ・ロションが担当しています。
ピエール・イヴ・ロションはヨーロピアン・クラシックなデザインの知見が豊富で、シャングリラ ホテル パリだけでなく、ペニンシュラ パリやフォーシーズンズ ホテル ジョルジュサンク、ウィーンの名門ホテルのザッハーに、ロンドンのザ サヴォイ ホテルと豪華でクラシカルなこれぞヨーロッパの高級ホテルというインテリアに関わっています。
そんなピエール・イヴ・ロションが手がけたシャングリラ ホテル パリの内部はきらびやかで華やかなまさにフランスの麗しき邸宅。
ベージュの柔らかな色合いを基調とした部屋や、青・白の色彩がノーブルな印象の部屋などがあります。
また一部の客室とスイートルームの窓からはエッフェル塔を間近に見ることができますよ!
1区にあるパラスホテル:1区は観光スポット満載のパリ中心部!
- ホテル ル ムーリス Hotel Le Meurice Paris
- マンダリン オリエンタル パリ Mandarin Oriental Paris
1区はカタツムリ状のパリ20区の地図を眺めたとき一番真ん中にあるエリアです。
ルーブル美術館にチュイルリー公園、パレ・ロワイヤルにオランジュリー美術館などパリの観光名所が目白押しなエリアです。
9区にあるオペラ座も徒歩圏内で、途中パン屋さんやブティックなど色々散策しながら向かうのも楽しいですよ。
ちなみに観光客が多いとスリなどの観光客をターゲットにした軽犯罪もよくあるのでその点はご注意を!
■ シュルレアリスムとヴェルサイユ宮殿の豪華さを体験!ホテル ル ムーリス Hotel Le Meurice Paris
ホテル ル ムーリスは1815年創業のパリ最古のホテルです。各国の王侯貴族をはじめ、著名な画家やビヨンセやアンジョリーナ・ジョリーなど世界中のセレブからも愛されています。
立地は1区のチュイルリー公園の真ん前にあります。
ルーブル美術館まで徒歩15分、地下鉄ピラミッド駅まで徒歩10分弱、セーヌ川対岸のオルセー美術館も歩いて10分程度とどこにいくにもベストなロケーション。
ル ムーリスはこれまでに何度か改修工事がなされていますが、ロイヤル モンソー ラッフルズのリニューアルを手がけたフランス人デザイナーフィリップ・スタルクがパブリックスペースのリニューアルデザインにたずさわっています。
ル ムーリスがお気に入りだった芸術家の中にはシュルレアリスムを代表する画家サルバドール・ダリもいました。
フィリップ・スタルクはリニューアルに際し、ダリをを彷彿とさせるエッセンスを装飾品や家具に散りばめています。
中でも特筆すべきはスタルクの娘で画家のアラ・スタルクが描いたル・ダリのダイニングの巨大な天井画!ダリのシュルレアリスムを思わせる作品に仕上がっています。
コンテンポラリーなインテリアのダイニングがある反面、ミシュラン2つ星レストランのル・ムーリス アラン・デュカスはヴェルサイユ宮殿の「平和の間(Salon de la Paix )」にインスピレーションを受けてデザインされているので絢爛豪華!
対極な2つのデザインを堪能できます。
全体的に館内は最古のホテルらしくシックで威厳を感じさせる雰囲気が漂っています。
客室は白やベージュなど明るい色彩に、イタリアやフランス製の瀟洒な家具でラグジュアリー感が漂うインテリア。
クラシックルームだとなかなか良い景色はのぞめないかもしれませんが、ちょっと奮発して上のランクのお部屋に滞在すればチュイルリー公園が見える部屋や、オペラ座やサクレクール寺院が見える部屋もあります。
夜はライトアップされるので大変きれいですよ。
2区にあるパラスホテル:2区〜9区はオペラ座が目印の観光・ショッピングエリア!
- ホテル ル パークハイアット パリ ヴァンドーム Hôtel Le Park Hyatt Paris Vendôme Paris
パリに来たらおさえておきたいスポットの1つがオペラ座(L’Opéra Garnier)ですよね!
(ちなみに地理的な話をするとオペラ座は9区、その前のオペラ通りは2区)
オペラ座周辺エリアはショッピングや美術館へのアクセスもとてもいいので、ぎゅっと詰まったパリを短時間で味わえます。
オペラ座からルーブル美術館へはまっすぐ向かえば約20分ほどです。
向かう途中にはツーリストインフォメーションもあるのでパリ市内やパリ近郊の情報収集、ベルサイユなど近郊への小旅行の手配などもでき観光客にはとても便利です。
またオペラ座界隈は観光の拠点としてだけでなく、お買い物が好き方にもおすすめ。
オペラ座の裏手には老舗デパートのギャラリーラファイエットがあり、オペラ座からもう少し歩いたサントノーレ通りにはエルメス、シャネル、バカラなどなど見るだけでもうっとりしてしまうお店が並んでいます。
『ブランドはあんまり興味がないけど美味しいものが食べたい!』という方にも楽しめるエリア。
フォションやエディアールなどの美味しそうなお惣菜に、マスタード専門店マイユ(MILLE)やマカロンが有名なラデュレ(Ladurée Paris Royale)もあります。
マイユではベリー系のピンク色のマスタードやハーブを使ったグリーンのマスタードなど日本未上陸の品もたくさんありますし、カウンターではビールスタンドのようなポンプからマスタードを持参(購入した)ポットに入れてくれるのでお土産にもちょうどいいです。
オペラ座からコンコルド広場方面に進むと和菓子の老舗、虎屋さんがあります。「フランスに来てまで和菓子?」と思われるかもしれませんが、日本では購入できないパリ店限定の和菓子があるので喜ばれるお土産になります。
甘味と和食が食べれるサロン・ド・テも併設されているので、ほっとひと息つける場所です。
オペラ座周辺のレストランは観光客を意識しているところが多く、英語や日本語メニューを置いているところもあるので注文のハードルは低いですよ。
■ 都会的で洗練されたホテルがお好みなら!ホテル ル パークハイアット パリ ヴァンドーム Hôtel Le Park Hyatt Paris Vendôme Paris
ホテル ル パークハイアット パリ ヴァンドームはヴァンドーム広場のすぐそばにあり、オペラ座、地下鉄オペラ駅から徒歩3分、ギャラリー・ラファイエットも徒歩10分、ルーブル美術館も徒歩圏内ととっても便利なロケーションにあります。
ラ・ぺ通り沿いにあるパークハイアットの入口は意外にも小さくてうっかり見逃しそうになりますが、奥行きがある造りで館内には通りの喧騒が聞こえてこず、静かに過ごすことができます。
館内はムーリスやシャングリラ、ブリストルのようなクラシカル&きらびやかな内装とは対照的に、世界中に展開するパークハイアット同様ベージュ、ダークブラン基調にシックな色合いでまとめられており、家具もモダンで高級感があるスッキリしたインテリアです。
華美なインテリアより都会的で機能的なホテルに泊まりたい人におすすめです。
ホテル ル パークハイアット パリ ヴァンドームの空室状況と最安値価格をチェック
まとめ
ちなみにパリの高級ホテルの代表格といえば”ホテル リッツ”です。
しかし、2016年のパラスには入っていないことにお気づきでしょうか?
ホテル リッツは2012年からリニューアル工事のため休業し2016年6月に再オープンしました。
パラスの選考基準に以下の項目があるため対象外になったのですね。来年以降パラス認定されるのも時間の問題という感じではないでしょうか。
サービスおよび提供される業務の恒常性を保証するため、新設ホテルの場合は少なくとも 12カ月前から、長期休業を伴う全面改装を施した既存ホテルの場合は少なくとも6カ月前か ら営業していること。
一流の設備に一流のサービスで最高級のフランスのおもてなしを受けてみたい方、ぜひパラスホテルをチェックしてみてくださいね!