あなたが1度は行ってみたい世界遺産として思い浮かべるのはどこですか?
アンコールワット?ウユニ塩湖?マチュピチュ?
フランスのモンサンミッシェルも必ず名前が挙がる最も有名な世界遺産の1つです。
干潮の差が大きいサン・マロ湾に浮かぶ洋上の城は、ルパン三世の名作「カリオストロの城」のモデルになったとも言われています。
さて、この洋上の城ことモンサンミッシェルは、708年司教オベールが夢のなかで大天使ミカエルから”海に浮かぶ岩山に聖堂を建てよ”とお告げを受けて建築を開始されました。
そして10世紀には修道院ができ、その後改築が続き13世紀に現在のような形になったといわれています。
その後は要塞や監獄として使用され、1865年に再び修道院として使われることとなりました。
主要部はゴシック様式ですが、実は内部は色々な建築様式が混ざり合っています。
要塞時代の名残で大砲も残ってたりするので、内部を見学すると数多の出来事を乗り越えてきた建物の歴史を見ることができるでしょう。
モンサンミッシェル修道院の見学時間は夏季は19時まで、冬季は18時までですが、そのお膝元の街のおみやげものやレストラン、ホテルは始終解放されています。
パリから日帰りバスツアーが組まれていますが、時間に余裕があるなら1泊して朝や夜のモンサンミッシェルを楽しんでほしいです。
そこで迷うのがホテルのロケーションでしょう。
『モンサンミッシェルが近い島内のホテルか、全景が見える対岸(島外)のホテルか。』
モンサンミッシェルの島内のホテルに宿泊するメリットとしては:
- 日帰り客が来る前や帰った後の静かなモンサンミッシェルの島内の散策を楽しめる。(シーズンによっては日中、街の通りは狭さもあってかなり混雑します。)
- まだ入場者数の少ない修道院をゆっくりと見て回れる。
- 世界遺産に泊まれる。(世界中の世界遺産の中でも宿泊できるところは限られます。)
デメリットとしては:
- ホテルの多くが昔ながらの建物を使っているのでエレベーターがない。(大きなスーツケースを持っていく場合は移動が大変。)
- ホテルからモンサンミッシェルの全景は見れない。
一方、モンサンミッシェルの対岸(島外)のホテルに宿泊するメリットとしては:
- 島内のホテルからは見えないモンサンミッシェルの全景を眺めることができる。
- 近代的な設備のホテルが主なのでスーツケースで行っても大丈夫!エレベーターが使える。(大きな荷物を置いて身軽な格好でモンサンミッシェルの島へいける。)
デメリットとしては:
- 島内にはバスで行き来するため時間の制限がある。(とはいうもののバスは早朝〜深夜まで運行してます。)
- 世界遺産の中で過ごす、という体験はできない。
今回は島内、対岸でおすすめのホテルを厳選して2軒ご紹介したいと思います。
ホテル選びの参考になれば幸いです。
<モンサンミッシェル島内>
中世の世界にひたれる!オーベルジュ サン ピエール Auberge Saint Pierre
予算:ミドル
島内のモンサンミッシェル近くのホテルに泊まりたい方におすすめなのが3つ星ホテルのオーベルジュサンピエールです。
ホテルの部屋を出て道なりに上に上がっていけば自然、修道院に着くロケーション。
周辺は郵便局やおみやげもの屋さん、パン屋さんやレストランなどがずらりと並んでいて、日本のそれよりもおしゃれに感じてしまいますがなんとなく神社の門前町の風情を感じます。
本館と別館があり、本館1階はレストランになっています。
坂と階段を上がったところにある別棟はかつての漁師の住まいをホテルに改装しています。
本館も別館も木造の造りで、むき出しの梁や柱が中世の旅籠といった趣が満載。
まるで数世紀前のヨーロッパにタイムスリップしたような気分を感じさせてくれます。
Sea ViewまたはBay View Logis Room(予約サイトによって名称が若干異なります)を選択すれば、別館の部屋の窓からサン・マロ湾を眺めることができます。
タイミングが合えば潮の満ち引きを楽しむことができますよ。
こんな人におすすめ!
- タイムスリップしたような街、ホテルで中世の雰囲気を楽しみたい方
- 朝の観光客が少ないうちに修道院をゆっくり見て回りたい方
- 夕方や朝早い時間帯など観光客が少ない時に地図を見ず気の向くまま島内を探検してみたい方
- 行き帰りバスに乗って移動するのが面倒くさい方
- ホテルに歩いてすぐ帰りたい方
ちなみに、パリ滞在中に1泊モンサンミッシェルに旅行に行く場合、(とくに島内のホテルを選択するなら)パリのホテルに大きい荷物は預かってもらうのがベターでしょう。
<モンサンミッシェル対岸>
絶景を一望!ル ルレ サン ミッシェル LE RELAIS SAINT MICHEL
予算:ミドル
対岸の島外に宿をとる人の目的はなんといっても”モンサンミッシェルの全体を眺めたい!”といことでしょう。
それをバッチリ叶えてくれるホテルがル ルレ サンミッシェル。
1階(現地の表現だとGrand Floor)の一部の部屋をのぞき、デラックスルーム以上プレステージ、プレステージスイートであれば前をさえぎるものが全くないモンサンミッシェルを眺めることができます。
ホテル予約サイトによってはわかりやすく”モンサンミッシェルビュー”の部屋のカテゴリーもあります。
朝食、夕食が頂けるレストランからの眺めも素晴らしいです。
予約時には念のためリクエスト欄に”Mont Saint Michel view room is preferred.”と伝えたほうがいいでしょう。
島内のホテルは昔ながらの建物を使っているため部屋によっては手狭なところもありますが、ル ルレ サンミッシェルの部屋は広いです。
モンサンミッシェルまではホテル正面から出発する無料のシャトルバスで約10分ほどです。
ホテル前には草原とその先にはサン・マロ湾が広がります。
その中に浮かぶモンサンミッシェルは、時間とともに刻々とその表情を変えていきます。
夕暮れ時にはオレンジ色の光をまとった神々しい姿を、夜には闇夜にライトアップされた幻想的な姿を、潮が満ちた海の中では堂々とそびえたつ姿を・・・多彩な姿を見せてくれます。
テラス付きの部屋もあるので、ワインとチーズを買い込んで世界有数の世界遺産の景色を肴に晩酌するのもオツですよね。
こんな人におすすめ!
- 広めの部屋でのんびりモンサンミッシェルの景色を堪能したい方
- ホテルのテラスでモンサンミッシェルを肴に一杯やりたい方
- インスタ映えする素敵な写真を撮りたい方
- スーツケース移動で石畳の歩道や階段は避けたい方
価格帯としては基本的にはミドルクラス(2−5万)のホテルですが、ローシーズンや直前予約だと1万円をきる時もあります。一方でハイシーズンの時には同じ部屋でも5万を超える日もありますので、ぜひ予定がたったら最安値価格を見てみて下さいね!
編集後記
モンサンミッシェル名物のふわふわのオムレツで有名なラ・メール・プーラール。日中はけっこう混んでます。
地元でお世話になったフランス人コーディネーターさんからは、あまり美味しくないからおすすめしない、と言われ食べ損ねたのですが、ちょっと後悔しています。
中世時代から変わらぬレシピなので、現代人の私たちにはもしかしたらちょっと物足りないのかもしれません。
とはいえ、やっぱり名物1度は食べてみたいですよね。
実は数年前東京にも支店ができたのですが、やっぱり現地のものを現地で味わうのが旅の醍醐味。
ちょっと並ぶかもしれないので日帰りツアーの場合は難しいかもしれませんが、気になる方はトライしてみてくださいね!