中央アジアというと旅行先としてはまだそれほど知名度は高くないかもしれません。
しかし最近旅行者が急増していて、2018年1~8月のウズベキスタンへの日本人訪問者数を見ると前年同期比54%増の10,028人と初めて1万人を突破しました。
この背景には2018年2月から日本人はビザなしで30日間までの滞在が可能になったので、行きやすくなったことがあるかもしれませんね。
また漫画家、森薫さんの『乙嫁語り』という漫画をご存知の方であれば、作品を読んで中央アジア諸国に興味を持った人も多いと思います。
かくゆう編集部にもこの漫画のファンが多く、これきっかけでウズベキスタンなど中央アジアに興味を持ったメンバーも多くいます。
そこで今回はそんな最近人気のウズベキスタンの観光におすすめの3エリアとおすすめホテルをご紹介したいと思います!
基本情報を少々・・・
◆旅のベストシーズンは?
中央アジアにあまり馴染みのない日本人のイメージからすると内陸で暑そう・・・いつ行ったらいいかも迷いますよね。
確かに夏は気温が40度を超え日差しが強く日中出歩くときは熱射病などに気をつけていただきたいのですが、気候としては日本と違って乾燥しています。
そのため暑いとは言っても日本のようなジメジメしておらず、日陰に入ると涼しいです。朝晩も涼しくなります。
冬はマイナス15度くらいになるので冬の旅行はだいぶ覚悟が入りますね。
ベストシーズンは3月~6
◆ウズベキスタンの治安て大丈夫なの?
これおそらく一番気になりますよね!
米国の調査会社ギャラップ(Gallup)による警官への信頼度や犯罪の頻度を地元の人々に聞く「世界の法と秩序調査2018年版」(2018 Global Law and Order)という調査があります。
調査結果を見るとウズベキスタンは、シンガポール、ノルウェー、アイスランド、フィンランドに次いで5位の安全度となっています。
ちなみに同調査で日本はスペイン、アゼルバイジャンと同点の25位です。
それ以外にも取材にあたり編集部も二人のサポーターの方にお話を伺いました。
お一人は1年に1度は必ずウズベキスタンを訪問する方、もうお一人はサマルカンドに仕事で数年滞在していた方で、お二人とも治安はとても良く、新宿や日本の都会より安全と話していました。
女性1人で夜歩いても平気ですが、ただ滞在者と旅行者では色々勝手が違いますので、夜間の1人歩きは避けるのが無難ですね!
ウズベキスタンの人は親切な人が多く(ロシア系だとやや無表情な人もいますが)、観光客を見守っててくれる感じがあります。
女性が大きな荷物を持っていて手伝ってあげたからチップ!のような東南アジアでありがちなこともありません。
◆移動とホテル宿泊料相場は?
タシケント以外は地下鉄もありますが、移動はタクシー多くなるでしょう。料金交渉が必要です。
長距離列車を利用する場合も、切符を買うところから正しい駅、ホームにいくにも言葉に慣れていないと普段よりパワーを要します。
そのためホテルは郊外よりも観光スポットに近い/回りやすい中心部に取るのがおすすめです!
宿泊料金も首都のタシケントは他の都市より少し高く、ちゃんとしたところに泊まろうとすると1万円ほどの予算を見るといいでしょう。
地方都市は5,000円も出せば結構いいホテル泊まれるイメージです。
◆英語は通じるの?
ウズベキスタンでメインに使われているのはウズベク語です。ロシア語を使う人も多いです。
英語はホテルなど一部の人には通じますが、街中の一般の人にはあまり通じないと思った方がいいです。
日本と同じで地方に行けば行くほど英語は通じなくなります。
簡単なウズベク語の挨拶は覚えていくといいと思います。どの国も自分の言葉で話しかけてもらえると嬉しいですよね!
あとはやはり笑顔とボディーランゲージ!
◆ウズベキスタンの物価ってどう?
日本の物価に比べたらどの品物も食事もかなり安いです。交通費も安いです。
しかも食料自給率が高いので野菜や旬の果物も安く美味しいです!
特にぶどうは一家にひと棚ぶどうを育ててるくらいみんなよく食べるそうです。
料理もお米やうどんのような麺料理があったり日本人の口に合うものが多く、美味しいですよ!
さて少し基本情報が長くなりましたが、続いておすすめ観光エリアに行きたいと思います!
スタートは首都!タシケントから
ウズベキスタンへのアクセスは国営航空のウズベキスタン航空が成田からタシケントまで直行便を運行しています。
乗り継ぎであればアシアナ航空など韓国系も就航しています。
首都ということもありビルも多く、近代的な都市です。
見所はナヴォイ劇場やタシュケントタワー、ウズベキスタン国立美術館、チョルスー・バザールなど。
タシュケントにはバザール以外に大きなスーパーマーケットや地下鉄もあります。
中央アジアには2つしかない地下鉄の1つがあるのがタシケントです。
ちなみにもう1つの都市はカザフスタンの首都ではありませんが経済や文化の中心地である最大の都市アルマトイにあります。
ウズベキスタンでも有名な建築家や芸術家が設計に参加していることもあり、タシュケント地下鉄の駅は世界の地下鉄の中でもかなり凝ったデザイン、装飾がほどこされています。
見応えがありますよ!
ちなみにタシュケントは過去のロシア革命や地震で古い建物はほぼ破壊しており、古い建物はあまり残っていません。
そのため見所としては歴史的な建造物というよりは地下鉄やスーパーマーケットなど生活を垣間見るようなところを巡ると面白いと思います。
ウズベキスタン最大の観光都市!サマルカンド
サマルカンドはウズベキスタンの第2の都市であり、もっとも観光客が訪れる最大の観光都市です。
タシケントからは高速列車アフラシャブ(Afrosiyob)で約2時間です。
2001年にはユネスコ世界文化遺産に登録されました。
サマルカンドの街中には美しいモスクや歴史的な建造物がたくさんあるので見所にはことかきません!
サマルカンドは別名「青の都」とも呼ばれています。
青の都の呼称はモスクを彩る「サマルカンド・ブルー」と呼ばれる鮮やかな青色から
サマルカンドはかつて一代で大帝国を築き上げたティムールが帝国の都と定めた場所です。
一時はシルクロードの要として栄えたサマルカンドですが、チンギス・ハンのモンゴル軍よって破壊されました。
その廃墟と化したサマルカンドを復興したのがティムールでした。
ティムールはサマルカンドを世界でもっとも美しい都にすべく、征服した遠征先から財宝などと共に優れた芸術家、技術者、学者なども一緒に連れ帰り、建築や工芸の分野を発展させました。
その中で中国の陶磁器とペルシアの顔料が出合ってサマルカンドブルーの美しい青が誕生し、今なおモスクを美しく彩っています。
見所はモスクだけに留まりません。
まず必見はレギスタン広場
サマルカンドを紹介する記事で上がっている写真はほぼこのレギスタン広場です。
広場を囲むように大きな3つの建物がありますがが、これはマドラサと呼ばれるイスラム教の高等教育機関です。
実物はおそらく皆さんが写真からイメージするよリも大きく迫力があると思います。
マドラサのドーム型の屋根の青もまた美しいです。外壁のモザイク画も精緻に作られていて本当に圧巻の一言!
かつてのレギスタン広場は東西の交易商人が行き交い、バザールが開かれ活気溢れる場所でした。
レギスタン広場にバザールはありませんが、広場よりもう少し北にサマルカンド最大のマーケット、シヨブバザールがあります。
色とりどりの野菜やフルーツ、スパイス、ドライフルーツも豊富に並んでいて料理好きでもそうでなくてもワクワクしてくるでしょう!
森薫さんの『乙嫁語り』ファンなら「1度は食べたい!」と思う模様がきれいななナン(パン)も山積み。
旅先でマーケットやスーパーマーケットに行くと地元の日常が旅行者にとっては非日常の風景になることもしばしば
とても面白いのでぜひ行ってみてほしいですね!
ちなみにお買い物は値引き交渉が必要なのでぜひトライしてみましょう。
レギスタン広場からシヨブバザールへ向かう途中には中央アジアでも最大級といわれるビービー・ハーヌム・モスクもあります。
レギスタン広場からビービー・ハーヌム・モスクまで歩いて20分ほどです。
サマルカンドはとにかく見所がたくさんあります。
観光スポットは比較的集まっているのでその周辺近くにホテルをとって回るのがおすすめです!
旧市街全体が世界遺産!古の風を感じるブハラ歴史地区
ブハラまではサマルカンドからアフラシャブで約1時間半、タシケントから行く場合は約3時間半です。
そのほかに空路も使えます。
首都タシケントの空港から国内便でブハラまでは約1時間です。
観光の拠点となる「エスキシャハル(旧市街)」まではブハラ空港からタクシーになります。
空港を出ると沢山のタクシーが出ているので「エスキシャハル(旧市街)」と伝えれば連れていってくれます。
タクシーは交渉制でおよそ6000スム(日本円で100円ほど)、高くてなったとしても10000スム程度に収まります。
列車の場合、ブハラ駅は空港より郊外の隣町のカガンにあります。
ブハラ駅からタクシーでエスキシャハル(旧市街)で行く場合、運転手との交渉次第なので料金幅がありますが10000~30000スムの間で行ける感じです。
ブハラはとにかくシルクロードの歴史を感じるには素晴らしい街です。
観光の中心となるラビハウズは2つのメドレス(クカリダシュ・メドレセ、ナディール・ディヴァンベギ・メドレセ)とかつて巡礼宿として使われていたナディール・ディヴァンベギ・ハナカの3つの大きな建築物に囲まれた人口の池です。
池の周りには広場があり周りにはカフェや屋台も出ていて、シルクロードのオアシスを思わせます。
ここは夜までにぎわっていますよ。
このラビハウズの周りに広がる旧市街がエスキシャハルと呼ばれています。
ブハラ歴史地区そのものが世界遺産に指定されているという事もあり、街中にはいたるところに歴史的建造物が残っています。
見事なタイル張りのメドレセ(神学校)の他にモスク、カラーン・ミナレット(塔)、昔のバザールの跡などが点在しています。
徒歩でも2時間ほどでぐるっと歩けるこぢんまりしたエリアで、乾燥した心地良い風を受けながら散歩するには最高のロケーションです。
歴史地区内にいくつものホテルがあります。
中には1泊15ドル~20ドル程度で泊まることができるリーズナブルなホテルもありますので、観光客には嬉しいエリアです。
治安も良いので安心ですが、夜中に女性ひとりで出歩くのは念のためひかえましょう。
もし時間に少し余裕がある方ならギジュドゥバンに立ち寄ってみてもいいかもしれません。
同じくブハラ州の小さな町です。ブハラ市内からタクシーで40分ほどの郊外にあります。
ギジュドゥバンはブハラよりも「田舎」という雰囲気の小さな町です。
陶芸が有名なところです。
ウズベキスタンではどこでも食べれるシャシリクですがギジュドゥバンのは特に美味しいといわれてます!
大きなバザールがあり売っているものがブハラ市内よりも安いので、お土産や自分用に何か買うにもいいですね。
編集後記
ウズベキスタン共和国には国内にもう1つ国があります。
その名もカラカルパクスタン自治共和国
独自の憲法、国旗、国歌もあります。大統領もいます。
でも外交権はなく、通貨もスムでウズベキスタンと同じです。
言葉はウズベク語とカラカルパク語が公用語になっています。
国の中にもう1つ国がある・・・どんな関係性なのか日本人の感覚からするとちょっと不思議ですよね。
昔の城跡が残っていて、ユルタと呼ばれる遊牧民のテントに宿泊することができます。
まだまだ未知の国というイメージが強いウズベキスタンや中央アジアの国々。
言葉や、風習などわからないことが多いので宿の主人に聞いたり、ガイドさんをつけてもいいかもしれませんね。
ぜひあなただけの楽しみを見つけてきてください!